進撃の巨人3期は、それまで「当たり前」とされてきた正義・敵・歴史がすべて否定されるシーズンです。2期までで描かれてきた“巨人との戦い”は、実は物語の表層にすぎず、3期では人類同士の対立と、意図的に隠されてきた世界の真実が暴かれていきます。本記事では、3期の物語をネタバレありで整理しながら、「人類の敵は本当に巨人だったのか?」という問いを軸に考察していきます。
進撃の巨人3期 あらすじ
王政の思惑によって、調査兵団は反逆者として追われる立場となります。エレンとヒストリアは攫われ、リヴァイたちは人類同士で刃を交える事態へと追い込まれます。この王政編では、巨人との戦闘ではなく、「誰が真実を隠し、誰が世界を支配してきたのか」が描かれていきます。
やがてヒストリアの選択によって王政は崩壊し、エレンの力と「始祖の巨人」の存在が明らかになります。後半では舞台が再び壁外へ戻り、シガンシナ区奪還作戦が決行されます。ここで地下室の真実が明かされ、世界は「壁の外にも人類が存在する」という事実へと一気に広がっていきます。
進撃の巨人3期 ストーリーネタバレ解説
ここからは、進撃の巨人3期の物語をネタバレありで時系列に沿って解説していきます。3期は前半の「王政編」と後半の「真実編(地下室・シガンシナ区決戦)」に分かれ、人類の敵と世界の正体が明確になります。
重要エピソード1:王政による調査兵団弾圧
【該当話数:第38話〜第41話(3期1話〜4話)】
調査兵団は王政によって反逆者として追われる立場となり、中央憲兵との戦闘が始まります。巨人との戦いではなく、人類同士の殺し合いが描かれ、壁内社会が「真実を隠すための支配構造」で成り立っていたことが明らかになります。
【結果】人類の敵は巨人だけではなく、権力構造そのものであると示されます。
重要エピソード2:ヒストリアの出生と王政の正体
【該当話数:第42話〜第44話(3期5話〜7話)】
エレンとヒストリアは王政側に捕らえられ、真の王家の血筋と「始祖の巨人」の力について知らされます。ロッド・レイスは始祖の力によって人類を支配してきた存在であり、ヒストリアは父の思想を否定し、自らの意思で戦うことを選びます。
【結果】ロッド・レイスは討たれ、ヒストリアが新たな女王として即位します。
重要エピソード3:エレンの能力と巨人の力の継承
【該当話数:第45話(3期8話)】
エレンの巨人の力は、父グリシャから継承されたものであることが明確になります。巨人の力は偶然ではなく、意図的に受け継がれる存在であることが判明します。
【結果】巨人の力が「継承制」であることが確定します。
重要エピソード4:シガンシナ区奪還作戦の開始
【該当話数:第49話(3期12話)】
王政編の決着後、調査兵団は壁外へ進出し、シガンシナ区奪還作戦を決行します。ここで再び獣の巨人、超大型巨人、鎧の巨人が立ちはだかり、人類最大規模の戦いが始まります。
【結果】調査兵団は壊滅覚悟の総力戦に突入します。
重要エピソード5:獣の巨人の猛攻と兵団壊滅
【該当話数:第50話〜第52話(3期13話〜15話)】
獣の巨人は投石攻撃で調査兵団を壊滅状態に追い込み、超大型巨人は圧倒的な破壊力で市街地を制圧します。多くの兵士が命を落とし、人類は絶望的状況に追い込まれます。
【結果】調査兵団はほぼ壊滅し、勝利条件すら見えない状況になります。
重要エピソード6:アルミンの犠牲と超大型巨人討伐
【該当話数:第53話〜第54話(3期16話〜17話)】
アルミンは作戦成功のため、自ら囮となって超大型巨人の攻撃を受け、瀕死の重傷を負います。その隙を突き、エレンがベルトルトを討伐します。
【結果】超大型巨人は討たれるが、アルミンは命の危機に瀕します。
重要エピソード7:獣の巨人との戦いとエルヴィンの最期
【該当話数:第53話〜第54話(3期16話〜17話)】
エルヴィン団長は新兵を率いて獣の巨人へ特攻し、自らの命と引き換えに隙を作ります。リヴァイは獣の巨人を圧倒しますが、討伐には至りません。
【結果】エルヴィンは戦死し、獣の巨人は撤退します。
重要エピソード8:地下室の真実
【該当話数:第55話〜第56話(3期18話〜19話)】
シガンシナ区地下室で、グリシャの手記が発見されます。壁の外にも人類が存在し、壁内人類は世界の一部に過ぎないという衝撃的な真実が明かされます。
【結果】世界の構造が完全に覆されます。
重要エピソード9:海と3期の結末
【該当話数:第59話(3期22話)】
調査兵団は海へ到達し、長年夢見てきた外の世界を目の当たりにします。しかしエレンは、海の向こうに敵がいることを理解し、単純な自由では終わらない現実を見据えます。
【結果】物語は最終章(4期)へと進みます。
その後の展開
進撃の巨人3期のラストで地下室の真実が明かされたことで、物語は決定的な転換点を迎えます。人類は巨人に脅かされる唯一の存在ではなく、壁の外には文明を持った別の人類社会が存在していました。これにより、「巨人との戦い」は終わりを迎え、物語の焦点は「人類同士の対立」へと移行していきます。
地下室に残された記録から、壁内人類は世界から隔離された存在であり、長年にわたって歴史と記憶を操作されてきたことが判明します。巨人の力は武器として利用され、エレンたちは世界の中では少数派であり、敵視される立場に置かれていることが明確になります。
海に到達したエレンは、外の世界に自由があることを確認する一方で、「海の向こうにいる敵をすべて倒さなければ、本当の自由は得られない」という結論に至ります。この思考の変化は、4期で描かれるエレンの行動原理の出発点となります。
調査兵団は、壁内の防衛組織から「世界と向き合う組織」へと役割を変えていきます。ヒストリアは女王として国を率い、壁内社会は再編されますが、外の世界との力の差や政治的対立という、より大きな問題が待ち受けています。
3期は、人類が長年追い求めてきた「真実」に到達した章であり、その真実を知ったがゆえに、より過酷な選択を迫られる物語へと続いていきます。4期(最終章)では、この真実を前提に、エレンの選択と世界の結末が描かれることになります。
【ネタバレ考察】人類の敵は本当に巨人だったのか?
進撃の巨人1期から3期にかけて、人類は一貫して「巨人」を最大の敵として戦ってきました。しかし、地下室の真実が明かされたことで、その前提は根本から揺らぎます。巨人は突如現れた災厄ではなく、人為的に生み出され、歴史と政治の中で利用されてきた存在でした。では、人類が恐れ、憎み、戦ってきた相手は本当に巨人だったのでしょうか。それとも、巨人という存在の背後にある“別の敵”を見誤っていたのでしょうか。この章では、**進撃の巨人3期までで明かされた事実をもとに、「敵」とは何だったのかを改めて考察していきます。
3期で「巨人=敵」という前提は完全に崩れた
進撃の巨人3期で地下室の真実が明かされたことで、人類が戦ってきた相手は「正体不明の怪物」ではなく、人為的に作られ、利用されてきた存在であることが確定しました。巨人は自然災害ではなく、明確な意図と歴史の中で生み出された“兵器”であり、敵そのものではなかったのです。
王政編が示した「本当の敵」は人類の内部だった
王政編で描かれたのは、巨人との戦いではなく、人類同士の殺し合いでした。記憶操作、情報統制、暴力による支配。これらはすべて「人類を守るため」という名目で行われてきましたが、実態は真実を隠し、現状を維持するための行為でした。3期前半の時点で、敵はすでに巨人ではなく、人類の作り出した支配構造であったことが明確になります。
地下室の真実が示した「世界の構図」
地下室で明かされた事実により、壁内人類は世界の中では少数派であり、外の世界からは敵視される存在であることが判明します。ここで初めて、壁内人類は「被害者」であると同時に、「世界から見れば脅威でもある存在」だという二重構造が浮かび上がります。敵と味方の区別は、立場によって簡単に反転するものだったのです。
巨人は「敵」ではなく「使われる存在」だった
3期までに明らかになった情報を整理すると、巨人は意思を持って人類を滅ぼそうとしていた存在ではありません。巨人は力を持つがゆえに、支配と戦争の道具として利用され続けてきました。つまり、人類が恐れていた“敵”は、実際には巨人そのものではなく、その力を使う人間の意思だったと言えます。
エレンの視点で見る「敵の再定義」
海に到達したエレンは、自由を喜ぶことなく、「海の向こうに敵がいる」という結論に至ります。これは、敵が巨人ではなく、世界そのものに存在しているという理解に到達した瞬間です。3期の時点で、エレンの中ではすでに「敵=巨人」という認識は消えており、より大きな構造そのものを敵として見始めています。
3期の結論:敵は姿を変え続けていた
進撃の巨人3期が提示した答えは明確です。人類の敵は最初から一貫して「巨人」ではありませんでした。敵は恐怖を利用し、真実を隠し、憎しみを連鎖させる構造そのものです。巨人はその象徴にすぎず、本当の敵は常に人類の内側と、世界の在り方そのものに存在していました。
この考察が4期につながる理由
3期で「敵は誰か」という問いが再定義されたことで、4期では「それでも戦うのか」「どこまで壊せば終わるのか」という、さらに重い問いが突きつけられます。3期は、最終章で描かれるエレンの選択を理解するための、思想的な出発点なのです。
伏線回収まとめ
ここでは、進撃の巨人3期で回収された伏線と、最終章へ持ち越された核心的な伏線を整理していきます。3期はシリーズ全体の“答え合わせ”に近い章であり、長年張られてきた謎の多くがここで明確になります。
壁の正体と役割
1期ラストで示唆されていた「壁の中に巨人がいる」という違和感は、3期で明確に回収されます。壁は人類を守るための防壁ではなく、巨人を材料として作られた構造物であり、外界との隔離装置でした。壁の存在理由が「防衛」ではなく「隔離」であったことが、地下室の真実によって確定します。
王政が真実を隠していた理由
王政が調査兵団を弾圧していた理由は、始祖の巨人の力によって人類の記憶を操作し、世界の真実を隠し続けてきたためでした。王家は「人類を守る存在」ではなく、「人類を閉じ込め続ける管理者」だったことが判明し、長年の支配構造の正体が回収されます。
ヒストリアの出生と役割
ヒストリアが王家の血を引く存在であること、そして始祖の力を継ぐ資格を持っていたことが明らかになります。同時に、彼女がその運命を拒否し、自分の意思で女王になる選択をしたことで、「血筋よりも意思が重要である」というテーマが回収されました。
エレンの力の正体
エレンの巨人の力が、父グリシャから継承されたものであり、進撃の巨人と始祖の巨人を併せ持つ存在であることが確定します。これにより、「なぜエレンだけが特別なのか」という1期からの伏線が明確に回収されました。一方で、その力が世界に与える影響は未回収のまま残されます。
地下室が示した世界の真実
地下室の手記によって、壁の外にも文明を持った人類社会が存在することが判明します。これまで「人類最後の砦」とされていた壁内世界が、実は世界の一部に過ぎなかったという事実は、シリーズ最大級の伏線回収と言えます。
獣の巨人の正体は未回収のまま
3期では獣の巨人の行動や知性の高さが描かれますが、その正体や目的は明かされません。なぜ獣の巨人は壁内人類を敵視しているのか、どの勢力に属しているのかといった核心は、4期へ持ち越される重要伏線として残されます。
エルヴィンの夢と選択
エルヴィン団長が命を懸けてまで地下室を目指していた理由は、「真実を知ること」でした。彼の死によってその夢は後の世代に託され、地下室の真実によって間接的に回収されます。同時に、「真実を知るためにどれだけの犠牲を払うのか」という問いが強く残されます。
3期で回収され、3期で終わらなかった伏線
3期では、「壁の正体」「王政の嘘」「世界の構造」「エレンの力の由来」といった主要な伏線が回収されました。一方で、「外の世界との関係」「獣の巨人の正体」「エレンが選ぶ未来」など、物語の結末に直結する伏線は未回収のまま残され、最終章へと引き継がれます。
原作との主な違い
ここからは、原作との違いについて解説していきます。
王政編がアニメでは大幅に整理されている
原作では比較的長く描かれていた王政編は、アニメ3期前半でテンポよく再構成されています。政治的な駆け引きや説明的な部分が整理され、ヒストリアとエレン、リヴァイの関係性に焦点が当てられたことで、物語の軸が分かりやすくなっています。
ケニー・アッカーマンの人物像が補完されている
ケニーは原作でも印象的なキャラクターですが、アニメでは声・間・回想演出によって人物像がより立体的に描かれています。リヴァイとの関係性や「なぜ王政側についたのか」という動機が感情的に伝わりやすくなっています。
地下室の真実がよりドラマチックに演出
地下室で明かされる世界の真実は、原作に忠実でありながら、音楽や演出によって衝撃度が大きく増幅されています。写真や語りの間の使い方により、「世界が一変した瞬間」であることが強く印象づけられています。
物語の大筋は原作準拠
3期はカットや再構成はあるものの、設定改変や結末の変更はなく、原作の重要要素はすべて押さえられています。特に後半のシガンシナ区決戦と地下室の内容は、原作理解を補強する形で丁寧に映像化されています。
名シーン集
人気となった名シーンをご紹介します。
中央憲兵との市街戦
【該当話数:第39話(3期2話)】
巨人ではなく人間同士が刃を交える異質な戦闘シーンです。立体機動装置を使った市街戦が描かれ、物語が新たな段階に入ったことを強く印象づけました。
ヒストリアが王政を否定する瞬間
【該当話数:第44話(3期7話)】
父ロッド・レイスの思想を拒絶し、ヒストリアが自らの意思で戦うことを選ぶ場面です。彼女が「操られる存在」から「選ぶ存在」へ変わる決定的な名シーンです。
ロッド・レイス巨人との決戦
【該当話数:第45話(3期8話)】
巨大化したロッド・レイスが壁へ迫る中、調査兵団とヒストリアが協力して討伐に挑みます。王政編のクライマックスとして強い印象を残しました。
獣の巨人による投石攻撃
【該当話数:第50話(3期13話)】
獣の巨人が投石で調査兵団を一方的に蹂躙する絶望的なシーンです。戦力差と戦争の残酷さがこれ以上なく突きつけられます。
エルヴィン団長の最後の突撃
【該当話数:第53話(3期16話)】
自らの夢を捨て、新兵を率いて特攻するエルヴィンの姿は、シリーズ屈指の名場面です。「選択」と「犠牲」というテーマが凝縮されています。
アルミンの自己犠牲
【該当話数:第54話(3期17話)】
超大型巨人を討つため、アルミンが命を賭けて囮になる場面です。彼の覚悟と成長が強く描かれた感情的な名シーンです。
地下室で明かされる世界の真実
【該当話数:第55話〜第56話(3期18話〜19話)】
写真と手記によって、壁の外の世界の存在が明らかになります。進撃の巨人という物語の前提が完全に覆る、シリーズ最大級の転換点です。
海に到達するラストシーン
【該当話数:第59話(3期22話)】
長年夢見てきた海を前にして、喜びきれないエレンの姿が描かれます。自由の意味が変質したことを象徴する、静かで重い締めくくりです。
進撃の巨人3期はどこで見れる?
| サービス名 | 見れる? | アニメ作品数 | 月額料金 |
|---|---|---|---|
| 人気No.1 DMM TV |
〇 | 6000作品 | 550円/月額 |
| dアニメストア | 〇 | 6000作品 | 550円/月額 |
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進撃の巨人3期の平均評価
総合点数
進撃の巨人3期
世界の真実
政治と戦争
物語の核心

おもしろさ
ストーリー
キャラ
中毒性
進撃の巨人3期は、シリーズ全体の価値を決定づけたシーズンです。王政編によって「敵は巨人だけではなかった」ことが明確になり、地下室の真実によって世界の構造そのものが一変しました。派手な戦闘以上に、選択・責任・歴史といったテーマが前面に出ており、物語としての完成度はシリーズ屈指です。ここを理解することで、最終章の意味が大きく変わります。
進撃の巨人3期はどんな人におすすめか?
- 巨人バトルよりも、世界の真実や構造に惹かれる人
- 政治・歴史・思想が絡む重厚なストーリーが好きな人
- 進撃の巨人を「物語」として深く理解したい人
進撃の巨人3期は、シリーズ全体の“背骨”にあたるシーズンです。ここを理解できるかどうかで、4期(最終章)の見え方が完全に変わります。
