進撃の巨人2期は、1期で提示された「違和感」に明確な答えを突きつけるシーズンです。巨人は外から来た敵ではなく、人類の中に紛れ込んでいた存在だった。この事実が示すのは、単なる裏切りではなく、世界そのものが嘘の上に成り立っていたという現実です。本記事では、2期の物語をネタバレありで振り返りながら、「なぜ巨人は仲間として生きていたのか」という問いを軸に考察していきます。
進撃の巨人2期 あらすじ
壁の内部に巨人が存在することが明らかになり、人類はこれまで信じてきた常識を疑い始めます。そんな中、突如として壁の内側に多数の巨人が出現し、各地で混乱が広がります。調査兵団は状況把握と防衛に追われる一方、獣の巨人という未知の存在が現れ、巨人が組織的に行動している可能性が浮上します。
やがて、仲間として共に戦ってきた兵士の中から、鎧の巨人と超大型巨人の正体が明かされます。この衝撃的な告白により、物語は「人類 vs 巨人」から「信じてきた関係性そのものを疑う物語」へと大きく転換していきます。
進撃の巨人2期 ストーリーネタバレ解説
ここからは、進撃の巨人2期の物語をネタバレありで時系列に沿って解説していきます。2期は、壁の異変から始まり、獣の巨人の出現、そして仲間の正体と裏切りが明かされることで、物語の前提が完全に崩れていくシーズンです。
重要エピソード1:壁の崩壊と巨人侵入の報告
【該当話数:第26話(2期1話)】
壁の一部が崩壊し、ウォール・ローゼ内に巨人が侵入したとの報告が入ります。調査兵団と駐屯兵団は各地に分断され、どこから巨人が現れたのか分からないまま迎撃に追われることになります。この時点で、人類側の想定は完全に崩れ、壁が安全装置ではない可能性が浮上します。
【結果】巨人侵入経路が不明のまま、各地で混乱が拡大。
重要エピソード2:獣の巨人の出現
【該当話数:第27話(2期2話)】
言葉を話し、知性を持つ獣の巨人が調査兵団の前に姿を現します。彼は部下の巨人を巧みに操り、調査兵団を壊滅状態へ追い込みます。立体機動装置を初めて見るかのような反応を示したことから、壁内文化を知らない存在であることも示唆されました。
【結果】調査兵団は甚大な被害を受け、巨人が組織的に行動していることが確定。
重要エピソード3:コニーの故郷ラガコ村の異変
【該当話数:第28話(2期3話)】
コニーの故郷ラガコ村では、住民の姿が消え、家屋は無傷のまま巨人だけが徘徊していました。動けず言葉も発せない奇妙な巨人の存在により、「人間が巨人に変えられている可能性」が強く示唆されます。
【結果】巨人の正体が人間であるという疑念が決定的になる。
重要エピソード4:ユミルの巨人化と正体判明
【該当話数:第29話(2期4話)】
クリスタ(ヒストリア)を守るため、ユミルは自ら巨人化し、仲間の前で正体を明かします。これにより、巨人化能力を持つ人間が複数存在することが確定し、エレンが唯一の存在ではないことが明らかになります。
【結果】人類側の常識がさらに崩れ、巨人=敵という構図が完全に崩壊。
重要エピソード5:ライナーとベルトルトの告白
【該当話数:第31話(2期6話)】
ウォール・ローゼ内で、ライナーは突然エレンに対し、自分とベルトルトが「鎧の巨人」「超大型巨人」であると告白します。あまりに淡々とした告白は、周囲だけでなく視聴者にも強烈な衝撃を与えました。
【結果】ライナーとベルトルトが正体を明かし、敵であったことが確定。
重要エピソード6:エレン誘拐と追撃戦
【該当話数:第31話〜第34話(2期6話〜9話)】
ライナーとベルトルトはエレンを捕らえ、壁の外へ逃走します。調査兵団は追撃を開始し、各地で激しい戦闘が繰り広げられます。ユミルもまた、クリスタを守るため彼らに同行する決断を下します。
【結果】エレンは一時的に敵側に奪われ、人類側は主導権を失う。
重要エピソード7:エレンの叫びと座標の力
【該当話数:第37話(2期12話)】
追撃戦の最中、エレンは強烈な感情の爆発とともに「叫び」を発し、周囲の巨人を操る力を発動させます。この力により巨人たちは鎧の巨人を襲い、人類側は窮地を脱します。
【結果】エレンに“巨人を支配する力(座標)”が宿っていることが判明。
重要エピソード8:2期の結末と残された謎
【該当話数:第37話(2期12話)】
エレンは奪還されるものの、ライナーとベルトルトは撤退に成功します。獣の巨人の正体、巨人化の仕組み、壁の目的など、多くの謎が未解決のまま残され、物語はさらに深い真実へと進んでいくことになります。
【結果】人類は決定的な答えを得られないまま、次なる段階へ進む。
その後の展開
進撃の巨人2期のラストで、ライナーとベルトルトは撤退し、エレンは調査兵団によって奪還されます。しかしこの時点で、人類側は決定的な「真実」を突きつけられることになります。それは、巨人は外から来た怪物ではなく、人間が変化した存在であり、しかもその中核にいるのは仲間として共に過ごしてきた兵士たちだったという事実です。
エレンが発動した「叫び」の力により、彼が巨人を操る特別な能力を持つことも判明します。この力は、単なる戦闘能力ではなく、巨人の行動原理そのものに干渉できる可能性を秘めており、以後エレンは「兵士」ではなく「世界の鍵」として扱われるようになります。一方で、この力が何なのか、なぜエレンだけが使えるのかは明かされないままです。
ユミルは、クリスタ(ヒストリア)を守るという選択をした代償として、ライナーたちと行動を共にする道を選びます。これにより、巨人化能力を持つ者同士の関係性や、壁の外に存在する勢力の存在が強く示唆されます。人類が思っていた以上に、世界はすでに複数の陣営に分かれていることが明らかになっていきます。
2期終了時点で、人類は「敵の正体」を知っただけで、何一つ解決していません。獣の巨人の正体、壁の真の役割、巨人化の仕組み、そしてライナーたちが従っている“本当の世界”。これらの謎は3期で一気に掘り下げられ、物語は人類内部の対立と、歴史そのものの解明へと進んでいくことになります。
2期は、進撃の巨人という物語が「生き残る話」から「世界の構造を暴く話」へ完全に移行した転換点であり、その後の展開を理解するために欠かせない重要なシーズンです。
【ネタバレ考察】なぜ彼らは裏切ったのか?
ここからはライナーとベルベルとの裏切りについて解説していきたいとおもいます。
「裏切り」は彼らにとって任務だった
進撃の巨人2期で明かされたライナーとベルトルトの正体は、人類側から見れば明確な裏切り行為です。しかし彼ら自身の視点に立つと、その行動は裏切りではなく「最初から与えられていた任務」でした。彼らは壁内に潜入する以前から、巨人としての役割と目的を背負わされており、調査兵団での生活は任務遂行のための偽りの時間だったのです。
仲間として過ごした時間が判断を歪めた
訓練兵団での日々を通じて、ライナーとベルトルトは壁内の人間たちと友情を築いてしまいます。この経験が、彼らの精神に大きな矛盾を生み出しました。敵として人類を滅ぼす任務と、仲間として守りたい感情。その両立が不可能になった結果、ライナーは「兵士」と「戦士」という二重人格のような状態に陥ります。裏切りの告白が淡々と行われたのは、彼自身の精神が限界に達していた証拠でもありました。
彼らは「悪」ではなく「選ばされた存在」だった
2期の描写から分かるのは、ライナーたちが自ら望んでこの立場を選んだわけではないという点です。彼らは生まれや立場によって役割を与えられ、「世界のためにやるべきこと」として任務を強制されていました。裏切りとは、自由意志による選択というより、逃げ場のない状況で押し付けられた結果だったのです。
エレンとの対比が示す「選択の違い」
ライナーたちとエレンは、どちらも世界に翻弄される存在ですが、決定的な違いがあります。それは「選び続けるか、役割に従うか」です。ライナーたちは与えられた役割を受け入れ、苦しみながらも任務を遂行しようとしました。一方エレンは、どれほど過酷な結果を招いても、自分で選ぶことをやめません。この対比が、2期以降の物語を大きく動かしていきます。
裏切りは「敵対行為」ではなく、世界構造の衝突
2期で描かれた裏切りは、個人の悪意によるものではありません。壁内と壁外、二つの世界が相容れない構造で存在していた結果として生じた衝突です。ライナーたちは世界同士の対立に挟まれた犠牲者であり、彼らの裏切りは、世界そのものが抱えていた歪みを可視化する役割を果たしていました。
2期の結論:裏切りは選択ではなく、必然だった
進撃の巨人2期が示した答えは明確です。彼らは裏切ったのではなく、裏切らざるを得なかった。任務、立場、世界の構造、そのすべてが彼らを追い詰め、選択肢を奪っていました。2期は、「誰が悪いのか」を問う物語ではなく、「なぜそうなってしまったのか」を問う物語なのです。
伏線回収まとめ
ここでは、進撃の巨人2期で明らかになった伏線と、あえて回収されずに次のシーズンへ引き継がれた要素を整理していきます。2期は「答えを出す期」であると同時に、「世界の前提を壊す期」として構成されています。
巨人は人間が変化した存在だった
1期から示唆されていた「巨人の行動に知性がある」「特定の人物を狙っている」という違和感は、2期で明確に回収されます。ユミル、ライナー、ベルトルトの正体が明かされたことで、巨人は外敵ではなく、人間が変化した存在であることが確定しました。この回収により、「人類 vs 巨人」という構図は完全に崩壊します。
壁の内側に巨人が侵入した理由
2期序盤で発生した「壁が破壊されていないのに巨人が出現した」という異常事態は、人為的な要因によるものだったことが示唆されます。明確な方法は語られないものの、人間を巨人化させる手段が存在することが確定し、ラガコ村の悲劇がその証拠となりました。この伏線は「侵入経路」という形では未回収ですが、「侵入方法が存在する」という事実は回収されています。
獣の巨人は別の陣営に属している
獣の巨人は、ライナーやベルトルトとは異なる立場で行動していることが描かれます。言語能力や巨人操作能力を持ち、部下の巨人を使役する姿から、彼がより上位の存在、あるいは別陣営に属する存在であることが示唆されました。正体や目的は未回収のまま、3期以降の核心へと持ち越されます。
ユミルの選択が示した世界の構造
ユミルは、人類側ではなくライナーたちと行動を共にする選択をします。この決断は、単なる裏切りではなく、「壁の外にも人類の社会が存在する」ことを強く示唆するものでした。2期では理由は語られませんが、世界が壁内人類だけで完結していないという伏線は、ここで明確に回収されています。
エレンの力は「巨人を操る力」だった
2期終盤でエレンが発動した「叫び」により、彼が周囲の巨人を操る力を持つことが判明します。これは1期で示唆されていた「エレンの力は特別である」という伏線の回収であり、同時に彼が単なる兵士ではない存在であることを確定させました。ただし、この力の正体や条件は未回収のまま残されています。
仲間として描かれてきた日常の違和感
訓練兵団時代のライナーやベルトルトの言動、距離感、戦闘時の立ち回りは、2期で振り返ると明確な伏線として機能していたことが分かります。彼らが「兵士」と「戦士」という二重の役割を持っていたことが明かされ、過去の何気ない描写が裏切りの布石だったと理解できる構造になっています。
2期で回収され、2期で終わらなかった伏線
2期では、「巨人は人間である」「仲間の中に敵がいる」「エレンの力は特別である」といった重要な伏線が回収されました。一方で、「獣の巨人の正体」「壁の本当の役割」「ライナーたちが従う世界」「ユミルの過去」など、物語の核心は意図的に未回収のまま残されます。この構成によって、物語は3期で一気に世界の裏側へ踏み込む準備を整えました。
原作との主な違い
ここからは、進撃の巨人2期の原作の違いについて解説していきます。
告白シーンの演出が大きく強調されている
ライナーとベルトルトが正体を明かす場面は、原作でも衝撃的ですが、アニメ2期では音楽を極力排し、日常会話の延長として淡々と描かれています。この演出によって「裏切り」という行為の異常さではなく、彼らの精神状態の歪みや疲弊がより強く伝わる構成になっています。
獣の巨人の不気味さがアニメで増幅
獣の巨人は原作でも異質な存在ですが、アニメでは声・間・動きによって不気味さが際立っています。言葉を話す巨人という違和感が、視覚と聴覚の両面から強調され、物語の空気を一変させる役割を果たしています。
ユミルとクリスタの関係性が丁寧に補完されている
原作では比較的簡潔に描かれていたユミルとクリスタの関係性について、アニメ2期では回想や表情描写が追加され、ユミルの行動原理がより理解しやすくなっています。これにより、ユミルの選択が裏切りではなく「覚悟」であることが明確になります。
ストーリーの大筋は原作準拠
2期に関しては、設定や展開に大きな改変はなく、原作の重要エピソードを忠実に映像化しています。省略はあるものの、伏線や因果関係を損なう改変はなく、原作理解を補強する構成となっています。
名シーン集
ここからは、名シーンをまとめていきます。
壁の上に出現する獣の巨人
【該当話数:第27話(2期2話)】
言葉を話す巨人が初めて登場し、これまでの常識が完全に覆される場面です。巨人が知性を持つ存在であることを明確に示し、物語の恐怖の質を一段引き上げました。
コニーの故郷ラガコ村の異変
【該当話数:第28話(2期3話)】
人の気配が消え、無傷の家々の中に巨人だけが存在する光景は、進撃の巨人屈指の不気味なシーンです。巨人の正体に関する決定的な違和感を残しました。
ユミルの巨人化と告白
【該当話数:第29話(2期4話)】
ユミルがクリスタを守るために巨人化し、自らの正体を明かす場面です。巨人=敵という図式が崩れ、物語が次の段階へ進む転換点となりました。
ライナーとベルトルトの正体告白
【該当話数:第31話(2期6話)】
あまりにも唐突で淡々とした告白は、2期最大の衝撃シーンです。仲間として過ごしてきた時間が一瞬で崩れ去り、視聴者に強烈な喪失感を与えました。
エレン誘拐とユミルの選択
【該当話数:第31話〜第34話(2期6話〜9話)】
ライナーたちがエレンを連れ去り、ユミルが彼らに同行する決断を下す場面です。それぞれの立場と思惑が交錯し、世界が単純な善悪では語れないことが示されます。
エレンの「叫び」発動
【該当話数:第37話(2期12話)】
エレンが無意識に巨人を操る力を発動させるクライマックスシーンです。彼の存在が戦局だけでなく、世界そのものを左右する鍵であることが明確になります。
進撃の巨人2期はどこで見れる?
| サービス名 | 見れる? | アニメ作品数 | 月額料金 |
|---|---|---|---|
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〇 | 6000作品 | 550円/月額 |
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進撃の巨人2期の平均評価
総合点数
進撃の巨人2期
正体判明
裏切りが重い
物語が転換

おもしろさ
ストーリー
キャラ
中毒性
進撃の巨人2期は、物語の前提を根底から覆す「正体の開示」によって、シリーズ全体を別次元へ引き上げたシーズンです。仲間だと思っていた存在が敵であったという事実は、単なる裏切りではなく、世界そのものが嘘で成り立っていたことを突きつけます。派手さよりも心理的衝撃と情報密度が重視されており、以降の展開を理解するうえで欠かせない転換点として高く評価できます。
進撃の巨人2期はどんな人におすすめか?
- 正体や裏切りが絡む重厚なストーリーが好きな人
- キャラ同士の関係性が崩れていく展開に惹かれる人
- 進撃の巨人の「真実編」に入りたい人
進撃の巨人2期は、衝撃よりも“理解の痛み”が残るシーズンです。敵と味方の境界が曖昧になり、誰を信じるべきか分からなくなる構造は、以降の物語全体を支配するテーマとなっていきます。
